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コンピュータ業界最大手のひとつ、Lenovo社との今年2度目のコラボレーション。今回はニューヨーク名物イエロー・キャブ(黄色のタクシー)を、生粋のニューヨーカーであるブルックリンスタジオのアーティスト・Frankが折り紙で再現しました!
先立って記念品を製作したコーポレート・イベントがたいへん好評だったため、Lenovo社からTaro’s Origami Studioに2つ目のデザインをご依頼いただきました。今回のイベントはLenovoのVIP顧客を招待するもので、何か普通とは違う、楽しさにあふれたアイディアが求められていました。
今回のプロジェクトで特筆すべき点は、Lenovoチームが前回の経験から私たちの仕事を熟知しており、Frankに明確かつ大まかな方向性を示してくれたことです。Frankはそこから技術と創造性を発揮し素晴らしい作品を仕上げることができました。デザインは1週間ほどの短期間で完成し、実物の製作は1ヶ月ほどをかけて行われました。
1. ブレインストーミング
レノボ社からのディレクションを踏まえ、Frankはまず、『ニューヨークの象徴となる物』のアイディア出しから始めました。ゴールは最も楽しくユニークなテーマを見つけることです。
ニューヨークの象徴といえばもちろん『りんご』ですが、定番すぎてオリジナリティに欠けます。自由の女神も候補のひとつでしたが、異なる文化圏での訴求力に欠けると思われました。そこでFrankは、ニューヨークで生まれ育った自分が心の底から好きなものを思い出しました……車、特にビンテージ・カーです。
ニューヨークの子どもたちに人気のおもちゃ、Candylab のビンテージ・タクシーに着想を得て、Frankは折り紙によるタクシーのデザインを始めました。Frankはこれまでにも車のオリジナル折り紙をいくつか開発しコンベンションで発表しています。今回は以前の作品を参考にしつつ、よりリアルに仕上げられるペーパークラフトのスタイルでデザインすることにしました。
2.クライアントによる修正
コンピュータ上のサンプルデータをLenovoチームに確認してもらい、フィードバックを踏まえて窓の色を黒に変更することにしました。
下の写真は最終決定したデザインデータと、スタジオで実際に紙で製作したプロトタイプです。(この時点ではまだバンパーが付いていません)
3. 組み立て
基本のデザインが承認され、微調整を加えた後、いよいよ組み立ての工程が始まります。細かいパーツが多く集中力の要求される作業でした。FrankとJeffの2人が数週間かけてカードストック紙をカットし、穴をあけ、糊付けする作業を行いました。完成した作品は長さ5インチ(約13cm)の大きさで、画面上のデザインデータを忠実に立体化することができました。
4. 納品
今回の作品はデリケートなパーツが多いので、デザイナーのFrankみずから、マンハッタンのイベントスペースまで手渡しで届けました。全部で30台以上のタクシーをこのイベントのために製作しました。並べてみると壮観です! 古き良きニューヨークのわくわく感が伝わってきます。