アジア諸国とアメリカの文化交流活動を推進する伝統ある団体、アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)の年次式典にて、Taro’s Origmai Studioが龍の折り紙アートを制作・提供しました!

 

今年のパーティーは「Year of the Dragon Gala」と題し、ニューヨーク・マンハッタンの世界的に有名なロッカフェラー・プラザ30階、レインボー・ルームでの開催されました。大勢の参加者がアジアの文化芸術のアトラクションや研究発表とともに、12年に一度の辰年を盛大に祝いました。

ACCのinstagramに映るこちらの龍が、Taro’s Origami Studioで製作した作品です。完成作品はテーブルセンターに配置され、パーティーに彩りを添えました。

この作品は数ヶ月に及ぶ大変な努力の賜物です。Taro’s Origami ブルックリンスタジオのシニアアーティスト、Frank Lingの専門知識と技術により完成に漕ぎ着けました。

Frankは2012年にTaro’s Origami Studioに加わって以来、数々のプロジェクトで印象的なデザインを発表してきました。Frankの折り紙アートはコンピュータ・レンダリングによるユニークなデザインと、紙素材の特質を生かした緻密な作品製作が特徴です。 最近ではMUJI(無印良品)NYフラッグシップ店クルーズ船模型製作のプロジェクトでデザイナーを務め、クライアントの意見を取り入れながら、大規模な製作を行いました。

これらの実績からFrankとブルックリンスタジオは今年初め、Rise and Set Agencyを通じて、アジアン・カルチュラル・カウンシルの年次パーティーの目玉となる、2024年の干支・龍のデザインの依頼を受けました。

アジアン・カルチュラル・カウンシルは、アジア諸国とアメリカの文化交流活動を通じて、国際的な対話・理解・尊敬を促進し、より協調性のある平和な世界に寄与することを目的としています。そこで、アジアの文化である干支(2024年は辰年)を、折り紙という歴史ある芸術で表現してほしい、というのが今回の依頼でした。

1. ブレインストーミング

今回の依頼では、クライアント側から理想的な完成形が明確に示されていました。テーブルの中央に盆栽のようなテラリウムを設置し、その周りに折り紙で作った竜を巻きつけたい、というものです。

当初の打ち合わせでは、伝統的な折り紙の技法による25体の龍の製作を予定していました。デザインのインスピレーションは元Taro’s所属のデザイナー、Joe Adiaの作品から得ました。Joeの龍は長さがあり、グラスに巻きつけるのに適しています。FrankとTaro’sチームは大きさと数の条件を満たすであろうデザイン案を複数用意し、サンプルを製作しました。

2. 製作方法の転換:折り紙からペーパークラフトへ

作成したサンプルをもとに再度打ち合わせをしたところ、クライアントはもっとリアルな龍を求めていることが明らかになりました。 そこで、龍をより大きく、より円筒形にするために、折り紙というよりはペーパークラフトに軸足を移してデザインを検討することになりました。紙を折ることに、切り貼りや紙質による表現を加えたペーパークラフトは、伝統的な折り紙の雰囲気を維持しながら、サイズや体積に制限されることなく自由で複雑な表現ができる優れたアートです。Frankは中国の古典的な龍に紙で命を吹き込むため、下のような参考画像をたくさん見てデザインを検討しました。

3. コンピュータ・レンダリングによるデザイン

ペーパークラフトでの製作が決まると、Frankはコンピュータ上でのデザインとレンダリングの工程に入りました。 Frankはプログラム上で龍のモデルを一から作り上げ、何度もクライアントとの会議を重ねました。下の出力画像から見てわかるように、龍の姿勢はかなり特殊です。龍を直立させるだけではなく、巻きついているテラリウムの植物を全方位から見えるようにすることが目標でした。また、この作品は円形テーブルの中央に設置されるため、どの角度から見ても美しく人々を魅了させる必要がありました。

デザインの各段階で慎重な会議を重ね、すべてがクライアントのニーズに完璧に合うように微調整を行いました。

4. プロトタイプの製作

やっとプロトタイプ(試作品、完成作品の原型となる模型)の製作にたどり着きました。このステップはTaro’sのアーティスト皆が大好きな工程です。ここで初めて作品を実際に組み立て、それがコンピュータ画面の外でどのように見えるかを確かめることができます。

完璧なプロトタイプを作るために、テラリウム製作担当のTerrat NYCから完成版のテラリウムが送られてきました。(彼らのテラリウムは本当に素晴らしいので、ぜひリンク先ウェブサイトを見てみてください!)

これにプロトタイプを巻きつけ、龍のモデルに正しくしっかりと収まることを確認します。 下の写真のように素晴らしい出来栄えであることが確認され、いよいよ実際の展示作品の組み立てへと進むことができました。

5. 作品の組み立て

プロトタイプがクライアントに承認され、実際の作品の組み立て作業が始まりました。 一体の龍のパーツをカットし、折り目をつけ、形を整え、組み立てるのに2時間以上かかりました。つまり最終的に25体作るのに、全部で50時間以上の作業時間を費やしたということです。 紙には光沢のある銀色のメタリックカードストックを使用し、照明に照らされて輝くようにしました。

6. 会場への搬入と設置

最後の仕事は、模型を丁寧に箱詰めし、梱包し、会場のレインボールームまで運ぶことでした。会場でデザイナーのFrankが25体の龍をテラリウムに固定し、大事な夜のためにすべてを整えました。大変な仕事でしたが、全てを終えた後のロッカフェラープラザ頂上からの眺めは、他では味わえないものでした。

イベント終了後ACCから連絡があり、今回の作品がたいへん好評で、パーティーもたいへん盛り上がったとのことでした。 私たちTaro’s Origami Studioは、ユニークで思い出に残るイベントを作るお手伝いができたことを嬉しく思っています。 完成した龍のペーパークラフトとパーティーの様子をご覧ください!